避妊・・・確実な避妊をめざして
わが国で最も多く利用されている避妊法はコンドームです。しかし、コンドームによる失敗は多く、毎回使用しても1年間では100人中18人が妊娠したというデータがあります。当院ではさらに確実な避妊法として、低用量ピル、子宮内避妊具(IUD)、子宮内避妊システム(IUS)の利用をお奨めしています。
低用量ピル |
・飲み忘れがなければかなり確実な避妊効果がありますが、飲み忘れを含めると年間で100人中約8人が妊娠したというデータがあります。 ・服用中は月経が規則的になる、月経痛が軽くなる、出血量が減る、月経前の気分や体調の不良(PMS)が軽くなるという副効用があります。 ・低頻度ですが、ホルモン剤に特有の「血栓症」という副作用に注意が必要です。血栓症リスクの高い肥満の方、高齢な方 (40代)、喫煙者にはあまり適しません。 ・服用中は妊娠しませんが、たとえ長期にわたって服用しても、服用中止後に妊娠しにくくなることはありません。むしろ、不妊症の原因となる子宮内膜症の発症や進行を予防する効果により不妊を防ぐ可能性があります。 |
子宮内避妊具(IUD) |
・当院では避妊効果を高めるために銅を付加したIUDをお奨めしています。 ・外来で短時間で挿入でき、挿入時の痛みもわずかです。5年間効果が続き、年間の失敗(妊娠)率は100人中0.3人とわずかです。 ・出産経験のない方にはあまり適しません。 ・人により月経時の出血量が増えることがあります。 |
子宮内避妊システム(IUS) |
・避妊効果を高めるためにホルモンが付加されていますが、ホルモンは子宮内でのみ作用し、ほとんど血液中に入ることはないため、全身的な影響はありません。 ・子宮内膜の増殖を抑制するため、月経時の出血量が少なくなります。 ・IUDと同様に外来で挿入可能で5年間効果が続き、避妊効果はIUD以上です。 ・外来で短時間で挿入でき、挿入時の痛みもわずかです。5年間効果が続き、年間の失敗(妊娠)率は100人中0.2人とわずかです。 ・出産経験のない方にはあまり適しません。 |
緊急避妊ピルの処方 |
モーニングアフターピルとも呼ばれ、性行為の72時間以内に服用開始することで、妊娠の可能性を少なくすることができます。(100%ではありません) |